(まずは、皆さん頭の中であの音楽を流してください)
”迷路” みなさんも一度は迷路で迷われたことがあるのではないでしょうか?
紙に書かれている迷路、遊園地にあるような実際に体験できる迷路、はたまた思考の迷路に入ってしまう事も、、、
いきどまりだったり、あるべきはずの道がなかったり、同じところをぐるぐると回ってしまう
いつもの通りなれた道のはずだったのに、そこは本当にいつもの道でしょうか
おや、あそこにも
『 入口のない迷路 』
それは、少し肌寒く感じる3月の朝だった。
今日も、太陽が昇ると暑くなってくるのだろう、
こんな日を日本では「小春日和」というらしい、
まだ、あやふやな思考の中でマーガレットはコーヒーを入れる準備をしていた。
マーガレットは、子供のころから日本のアニメが好きで、いつか日本に行きたいと思っていて、
ようやく、夢が叶い、4月からは日本の大学に入学する予定だ。
2週間ほど前に、日本に到着し、今は入学の準備にいそしんでいる、
揃えなければいけない物も多く、慌ただしく日々が流れていく。
そんな日々の中で、日本の文化にふと触れる時が、今のマギーには幸せな時間だ
仲の良い友達はマーガレットの事をマギーと呼ぶ、その呼ばれ方も、マギーは気に入っている。
ただ、マギーにはどうしてもわからない日本の文化があった、
わからないという表現は少し違うのかもしれない、答えまで行きつくことができないのだ、
それは、”そば” だ、漢字で書くと ”蕎麦”
蕎麦の答えがいまだにみつけられないでいる、届きそうになるとスッと離れていってしまう様な感覚だ
マギーは、スマホでグルメサイトのアプリを起動した、
この所色々と調べてみてはいるのだが、調べだすと蕎麦はまるで無限の様に様々な方向に進みだす、
蕎麦は文献によると、9000年以上前の日本にも存在していたようだ、
当初は、そば粉を練って食す”そばがき”が一般的だったようだが、江戸時代の頃に現代に通じる蕎麦文化に昇華していったようだ。
そして、ここから、そばの実の引き方、種類、つなぎと掛け合わせていくととんでもない事になってくる、
ざっと見ただけでも、”更科そば” ”藪そば” ”砂場そば” ”田舎そば” ”十割そば” ”二八そば”
既に、何が何だかわからない、それぞれに特徴があるらしいが、蕎麦は蕎麦でいいのではないだろうか、
ここまで追求する必要があるのだろうかとマギーはふと考えてしまうのだが、
そんな中にこそ日本の文化の答えがあるのではないかとも考えてしまう。
そしてここから更に食べ方も、まるで、シュレッダーにかけられたように細かくなっていく
温かい蕎麦、冷たい蕎麦、どんな天ぷらをのせるか、薬味は何にするのか。
しかも、食べる時には音をたてながらすするのがいいらしい、
もう、わからない、何が答えなのかはわからない、
ただ、これから時間はあるのだから少しずつ答えをだしていこう
そう、考えながらマギーは朝ごはんの準備を始めた、
この朝ごはんからも少しは答えに近づけるのかもしれない、
そんな事をぼんやり考えながらすするうどんの味は格別だった。
さあ、あなたは、うどん、そば、どっち?
では、また!